Living with Music > Music in Your Heart

 

 

 

 

音 楽 を 心 に

 

 

このセクションではご家族の音楽豊な生活のためへのヒントとして、さまざまな観点からお話をしていきます。

 

想 像 力 と創 造 力

 

前回では、子どもが自由に楽しむことのできる環境についてお話しいたしましたが、子どもに自由を与えるためにそっと見守ることと、自由を与えながらも遊びの中に豊かな音楽的な要素を取り入れるために、そっと子どもの世界に交わる良いタイミングを見つけるのはとても難しいのが現実です。今回は、その葛藤を想像性と創造性に満ちた方法で対処されたあるお母さまのお話をしたいと思います。 

 

その日のPlay Alongの時間になると、3歳半のYちゃんはまわりにある楽器を集めだし、小さい台所を作っていました。 太鼓を入れる大きい箱はガス台に変身。 取っ手のついた平たい太鼓を2個並べれば、それは立派なバーナー!そしてYちゃんは器の形をした楽器をならべ、マレットをぐるぐるまわして「スープ」をかき混ぜていました。 お母さまは楽しそうにお料理をしている娘さんを遠くから静かに眺めていましたが、いつものように、お子さんに自由に参加させながら、ご自分自身楽器を手にとりPlay Along の時間を楽しまれていました。

すこしたつと、火かげんを調節するつまみを探そうと、ガス台のあちこちをひねるYちゃん。 お母さまはそっと近寄っていきました。 すると、お母さまはガス台を指で触り、「あち!あち!あち!」とやけどをしたかのようにYちゃんの耳にささやいたのです。その「あち、あち、あち」は意識的に音楽のリズムに乗せられ、リズミカルに。 Yちゃんが目をキラキラと輝かせて喜んだのは言うまでもありません。 その後はYちゃんとお母さまの「音楽キッチン遊び!」 お母さまと一緒に、大きいビートに合わせて、スープを小さい早いビートに合わせてじゃがいもをトン、トン、トン! 見ていた私も心から楽しんでしまいました。

 

このお母さまの例は、子どものイマジネーション豊かな世界に土足で入るようなことはせず、子どもの想像性の自由を尊重しつつも、音楽的要素を取り入れ、音楽性発達に役立つ努力をされた実に模範的な例です。 音楽のクラスに参加しているときでも、子供は興味の範囲を音楽的なものには限らず、部屋の中の電気、壁、窓、楽器の仕組みなど、身の回りのすべてのもの、すべての人たちに興味を持っています。 そして、子どもの心の中ではマレットは飴だったり、リズムスティックはお箸であったり、タンバリンはネックレスだったりするのです。 子どもは、豊かな想像力と創造力に満ちています。私たち大人ができることは、その子どものメルヘンの世界にそっとおじゃまをしながら、私たちなりの想像力と創造力をふりしぼって、音楽的にも意義ある遊びに導いてあげることですね。

 

 

 

 

大 人 の 解 釈

 

 私たち大人は親として、常に子どもが何を考えるているのか知りたいあまりに、子どもの表面的な行動を分析して、心の中にある気持ちを判断してしまうことがあります。 Music Togetherのクラスでは、是非その大人としての見解を忘れて、大人自身が子どもにかえったように、子どもの観点からの体験を想像してみてください。 大人としての判断から、子どものためにならない、楽しくない、安全ではないなどと否定的に感じていたことが、実は子どもの習得過程の大切な一部であったと発見することも少なくありません。

 

あるクラスにとても活発でいつも積極的にクラスに参加していた3歳の女の子がいました。ある日突然Hello Songがはじまるとクラスの隅にいき、隠れながらクラスの輪を遠くから静かに見つめ始めました。 はじめは誰もがびっくりしたのですが、私は講師として、彼女の体は輪の中にいなくても、彼女の「心」はしっかりと輪の中に残り、音楽を楽しんでいるのだと感じていました。 それは、いつもと変わらない彼女のキラキラした目と、嬉しそうな笑顔が証明していました。その女の子のお母さんはMusic Togetherのプログラムの理念を深く理解してくださっており、娘さんを無理やり輪の中に連れてこようとはしませんでした。
お母さんご自身輪の中に残りクラスを楽しみながらも、時折娘さんのところへ行って歌ってあげていました。その状態は数週間続いたのですが、ある日クラスの後にお母さんがとても興味深い話をしてくださいました。

そのお母さんが「どうして、クラスの隅に行ってしまうの?」と聞くと、すぐさま女の子は「輪の中で歌うよりも、みんなの歌声を部屋の隅で聞きたいの。 輪から離れた方がもっとよく聞こえるのよ!」と嬉しそうに答えてくれたのです。 楽しい歌声のハーモニーを、観客として聴くのが楽しくないはずがありませんよね!深く納得してしまいました。(みなさんも輪から離れて、クラス全体の歌声を聞いたことがありますか?是非、一度試してみてくださいね。) このお話を聞いて、改めてこの女の子は彼女自身が選んだ方法で音楽を楽しんでいるという私の推測が正しかったことがわかり、とても嬉しく感じました。 それと同時、子どもの心理を尊重し、自由に音楽の楽しみ方を見出すことを励ますMusic Togetherの環境の素晴らしさを改めて感じたのです。
もし、この女の子に「みんなと一緒に輪の中で歌いなさい」と強制をしていてたらどうなっていたでしょうか? みんなの歌声を聞いて楽しんでいた彼女は、きっと拒否したに違いありません。 そして彼女の純粋な「歌声のハーモニーを聴いていたい」という思いはどこに行ってしまうのでしょうか?

 

一般的に子どもがクラスの輪の中で参加しない姿は「興味がない」か「正すべき行動」と解釈されてしまうことが多いのが事実です。幸いこの女の子の場合は、意思を言葉で伝えられる年齢だったことで彼女の気持ちを理解することができました。
しかし、まだお話ができない子どもの場合、親の私たちはどのような方法で子どもの気持ちや音楽に対する自然な反応を尊重できるのでしょうか?

 

Music Togetherのクラスでは、子どもが自由に音楽を楽しめる環境を大切にしています。 子ども達の中には、歌うよりも聴くことを好む子ども、または動くことよりも観察することを好む子ども、その違いは千差万別です。 大人が勝手に決めた「正しいスタイル」を押し付けず、子どもがさまざまな発見をしながら自由に楽しめる環境の中では、子どもなりの好みやスタイルが尊重されます。 例えばクラス全体が音楽に合わせて楽しいダンスをしているときに、輪の中に座り込んでまわりを眺めるだけのお子さんは、踊っているクラスから音楽のリズムや動きを視覚的に感じ取っているのかもしれません。 

楽器を口に入れ、なめまわしている赤ちゃんは、楽器というものへの興味を自然な形で表現しているのかもしれません。
(特に赤ちゃんの場合、舌は手などと同じ位大切な、受容器官なのです)

 

Music Togetherでは私たち大人が子ども達をよく観察して、子どもの特有の好みや自然なスタイルを見極め、それを励ますことを強調しています。大人の解釈はいつも正しいとは限りません。 私たちは親として、子どもの自発的な発見や、行動を励まし、尊重できる環境をいつも保っていきたいものですね。

 

 

 

 

第一回目はSong Bookの最初のページに載っている「 Child’s Wish List」の日本語版を載せたいと思います。 子どもの頭の中に入ってみることができたら、子ども達はこんなことを考えているのかもしれませんね。楽しいリズム、メロディーに溢れた環境、音楽を通したコミュニケーション、子ども達にはもちろん、大人の生活の中に新しい発見があることでしょう。

 

~子 供 の 願 いリ ス ト~

ずっと、ずっと一日中

いつもそばでお歌をうたって
よりそいながら、ちゃんとお目めを合わせて

ゆっくり、はっきりと

そんな風にお歌をうたってくれたらいいな

私をだっこしながら、一緒に踊って、

お手てや足をポンポン優しくたたいたり
そんな、優しい、楽しいリズムがあふれる1日だったらいいな
だって、私はまだ赤ちゃんだもの

オムツを替えながら、運転をしながら、一緒に踊りながら、

お散歩しながら、おふろに入りながら
いつもそばでお歌をうたってくれたらいいな

音楽大好き! 

赤い太鼓に、スピーカーの音、おかしな歌やおもしろい踊り・・・

みんな大好き!
音楽にあわせてダンス! 

音楽にあわせてゆーらり、ゆーらり

音楽にあわせてぴょん、ぴょん、ぴょん

音楽にあわせて輪になってダンス


だって、私はもうおねえちゃん

僕も出来たらいいな・・・ もう出来るかも・・・

うん、もう僕も出来るよ!
歌詞だって、メロディーだっておぼえられるよ 
僕の世界に入って、何時間も、何時間も歌ったり

僕の一人バンドを楽しんだり

そんな自由に音楽を作るのが大好きなんだ
他の人が音楽を作るのを見るのも
先生の真似をするのも大好き
家族のみんなと一緒にダンスしたり、楽器を楽しむことも

とっても、とっても好きなんだ!
だって、僕はもう3歳さ!

音楽は得意よ
リズムを正しくたたいたり、ダンススッテプをおぼえたり

楽器を習うのも大好き
好きなことだったら、

たくさん練習することだって大好きなのよ


上手に出来た!ってちゃんと自分でわかるのよ
いろいろな音楽ができるお友達と一緒にいるのがとても楽しいの

最近は毎日、毎日たくさん音楽がなくちゃ!って思うの
これからもずっとそう思うかもしれないわ

だって私はもう立派な4歳半!


みなさんの心のどこかにこの詩を残しておいていただけたらと思います。子ども達を温かく見守ろうとする姿勢と子どもの視点にたって理解しようとするお父さまやお母さまの心が、お子さまの発達の大きな役割を果たすということを忘れずに、リラックスしてお子様の成長の過程を楽しんでください。

 



 

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